厄年
今年は我が国史上に残る悲惨な災害に見舞われた年であった。
被災地・被災者を思い、国中がが悲しみの深淵に沈んだ。
個人的にも災難多く、大事に使っていると思っていたものを突然に
失った。 愛車と歯。 どちらも痛かった。
その上半端じゃなく痛かったのは、某ビルの裏階段から転落して
骨盤を骨折し、3週間も入院したことだ。
後頭部も強打し、みるみるうちに生み出た巨大なたんこぶも痛く重く、
全く起き上がれず踊り場に転がっていた。
清掃員の方にみつけてもらったのだが、打ち処がもっと悪かったら、
誰にも知られず昇天していたのだろう。
約一週間の寝たきりは初めての経験だった。
痛いところをかかえて寝ているのは辛い。
たんこぶも邪魔している。
軽い咳をしても響く。
看護士さんが 「 蒲田行進曲 ですね 」
笑わせ殺し この刑は非常に重い。
車椅子を自力で操り、トイレに行くことができるようになった時は
この生活も悪くないと 正直に思ったものだ。
死なない限りは生きねばならぬ。
たった1歩の前進に希望の光を見出すことが大切なのだ。
少しずつ歩けるようになるためのリハビリはとても楽しかった。
寝たきりでいると筋力が一日5%落ちるそうだ。
要介護にならぬよう、普段から足腰を鍛える努力の必要性を
痛感しただけで終わってはならない。
めでたく退院した頃には雪が降り、道路事情が最も悪い季節。
新調したゴム長靴にリュック、そして転ばぬ先の杖は母の遺品。
電車の中では迷うことなく専用席へ。
不自由な身体になって知ることも多い。
人さまの親切が身にしみる。
厄年は学びの年なのかもしれない。
あとわずかでこの年が行く。
どうか、どうか 静かに行っておくれ。
そして、私にも必ず来る新しき年を ただただ平穏に過ごしたい‥


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