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テレビの嘆き

「あらぁ、新入りさんようこそ!」
「後頭部がデカいので お邪魔になります。」
「気にしないで、どうせ私達はみんな用済み仲間。 地デジ化 という
この国の勝手な政策のお陰でね。」
「ご先祖様は良かったわ、そりゃあ大事にされて宝物扱い。」
「私の先祖など、カーテン付の箱入り娘。 劇場の幕を上げるように うやうやしく
カーテンを開けてスイッチオン というよりガチャ 回すタイプだったからね。
家族がみんな集まっての とっても楽しいひと時だったって。」
「カラーの登場も大騒ぎだったわねぇ。」
「一家に数台ある時代も過ぎ、次から次へと新しい型が開発された。
もういいかと思いきや今度は電波。 映らなきゃどうしようもないわ。」
「この店の主人、引き取ってくるのはいいんだけど赤字経営だから
仲間が増える一方、私の上に何台? 重くってかなわないわ。」
「それそれ、廃棄処分の費用がもったいないって玄関の隅っこに置かれてる
壊れた仲間がいるの。目立たないって思い込まれてるけど玄関にテレビ‥
でも、掃除のついでにいつも拭かれているからピカピカよ。」
「幸せねぇ、私の仲間は家族に破壊されたのよ。」
「ええっ! どうやって?」
「金づちで滅多打ち、粉々にされて一袋の燃えないゴミになったわけ。」
「痛かったでしょうねぇ。 さんざん楽しませてあげたのに悲惨な最後。」
「それにしても凄い発想ね、ゴミ袋代だけで済ませるって。」
「あっ、ご主人が入って来たわ。」
「か、金づち持ってるわよ!」

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